ご家族がお亡くなりになったため、ご自身で遺品整理をするか、遺品整理業者に頼むか、ご検討中かと存じます。
遺品は、一般的には量がとても多く、少人数で片付けるのは大変です。加えて、賃貸アパートの退去日が迫っていたり、遠方にお住まいだったりする場合は、さらに困難が伴います。
遺品整理は、貴重品や大切な書類、思い出の品なども取り扱います。
遺品整理のスキルがない業者に依頼すると、遺品を粗末に扱われたり、貴重品や重要書類のチェックをしないで全部捨てられてしまったり、「思ったよりもゴミが多かった」などと追加料金を請求されたり、もっと調べてから頼めばよかったと後悔することになるかもしれません。
そんな後悔をされないよう、業者選びの方法や依頼する時の注意事項をお伝えします。また、ご自身で遺品整理をする方法も記載していますので、ぜひご覧ください。
【目次】
- 1 遺品整理に関係した統計
- 1-1 高齢者世帯に関する統計
- 1-2 お亡くなりになった方の人数と死因
- 2 遺品整理・遺品処分の範囲を明確にしてトラブル防止
- 2-1 遺品整理と処分のすべてを業者にまかせる
- 2-2 貴重品や重要書類が出てきたら取っておき、その他は処分
- 2-3 遺品処分のみをまかせる
- 3 優良な遺品整理業者選び、3つのコツ
- 3-1 遺品整理のスキルがある(遺品整理士在籍は必須)
- 3-2 不用品の違法な処分をしない
- 3-3 見積もりを数社から取ることで、相場もわかる
- 4 ご自身で遺品整理をする方法
1、遺品整理に関係した統計
今、実家の片付けや遺品整理でお困りの方が増えています。背景にあるのは高齢者世帯の増加。
まずは、名古屋市を例に関連する統計をご覧ください。
1-1 高齢者世帯に関する統計
H22年の政府統計によると、名古屋市の高齢夫婦世帯は91,716世帯(全世帯の内9.0%)、高齢単身世帯は98,841世帯(全世帯の内9.7%)で、合わせて18.7%が高齢者だけの世帯でした。
また、核家族世帯数が531,215世帯(全世帯の内52.0%)もありますから、今後も、実家の片付けや遺品整理などでお困りの方が増え続けると推測されます。
※政府統計の総合窓口(e-Stat)「統計でみる市区町村のすがた2016」の「A 人口・世帯」を加工して作成
1-2 お亡くなりになった方の人数と死因
名古屋市では、平成20年~24年の5年間に95,088名の方がお亡くなりになりました。
主な死因は、下記のとおりです。
- ガン 29,127名(30.6%)
- 心疾患 14,187名(14.9%)
- 脳血管疾患 8,973名( 9.4%)
- 肺炎 8,727名( 9.2%)
- 肝疾患 1,204名( 1.3%)
- 腎不全 1,731名( 1.8%)
- 老衰 3,196名( 3.4%)
- 不慮の事故 2,958名( 3.1%)
- 自殺 2,285名( 2.4%)
一人暮らしの高齢者が、ご自宅で亡くなられた場合の死因は、心疾患、脳血管疾患、不慮の事故、自殺などが想定されます。そういった場合は突然だったことも多く、ご遺族様の悲しみは察するに余りあります。
遺品整理を業者に依頼する事例も増えていますが、ぜひ、ご遺族様のお気持ちがわかる業者をお選びください。
※政府統計の総合窓口(e-Stat)「平成20~24年 人口動態保健所・市区町村別統計」の「統計表3」を加工して作成
2、遺品整理・遺品処分の範囲を明確にしてトラブル防止
遺品には、金品や宝石などの貴重品、重要書類、故人様の愛用品、アルバム・手紙などの思い出の品等が含まれます。業者に遺品整理を依頼する時は、そういった大切なものを探し出し分類する作業を含むのか、含まないのか、具体的に意識しましょう。
あなたが依頼しようとしている業者に遺品整理のスキルがあれば、見積もりの時に【遺品整理・処分の範囲】を聞いてくれるとは思いますが、そのスキルがない場合は注意が必要です。単なる遺品処分の依頼を受けたと思い、大切なものまで捨ててしまうかもしれません。
業者にまかせる範囲を明確にしておくと、いいかげんな業者を見分けやすくなるし、トラブルの可能性も減少します。
その範囲とは、大まかに言うと次のようなことです。
2-1 遺品整理と処分のすべてを業者にまかせる
貴重品、重要書類、思い出の品等の探し出し・分類を含む場合は、見積もりの時に業者に要望をしっかり伝えてください。その時の対応で、遺品整理のスキルのありなしをある程度チェックすることができます。
また、見つけて欲しい物は何か、分類の仕方はどうか、などを決めておくと、遺品整理後のご遺族様の負担が軽くなります。
2-2 貴重品や重要書類が出てきたら取っておき、その他は処分
これは、ご遺族様が必要なものの大半をすでに探し出してあるパターンです。
遺品整理業者は、布団の中に何か大切なものが挟まっていないか、本のページの間に何か挟まっていないか、トイレのタンクの中に貴重品がないか、など慎重な探し方をすることができます。こういった、積極的に探す作業をご希望の場合は、見積もりの時に話しておきましょう。
2-3 遺品処分のみをまかせる
遺品整理業者は、何か大切なものがないかチェックしながら遺品の処分をする習慣を持っています。また、遺品を粗末に扱うようなことはいたしません。
ここも、単なる不用品回収業者との違いです。
以上のように、遺品整理はとてもデリケートです。
遺品整理業者に頼む場合は、金額と共に、どういう範囲の作業をまかせるのか、決めておきます。
そして、事前に相続人全員の了承を得ておくと安心です。
3、優良な遺品整理業者選び、3つのコツ
いざ、遺品整理を頼もうと思ってインターネットで検索すると、たくさんの業者が出てきます。多すぎて、どこにしたら良いか迷われるでしょう。
そこで、遺品整理業者を選ぶ時のポイントを、プロの目からまとめました。
3-1 遺品整理のスキルがある(遺品整理士在籍は必須)
たとえば…
遺品整理をしてもらった業者から、「いろいろ見つかりました」と大量の貴重品や重要書類、思い出の品などを、何の分類もしないでゴッソリと渡されたとします。すると、ご遺族様は、それを分別しなければいけなくなります。大変だと思われませんか?
そういった時、業者によってある程度の分別ができていれば、ご遺族様の負担が軽くなります。
…上記は一例ですが、遺品整理はスキルと細かな気遣いのある業者に頼む方が良いのです。
では、スキルや気遣いがあるかどうかは、どのように見分けたら良いのでしょうか?
いろいろな見分け方があると思いますが、主なものをご紹介します。
◯遺品整理士がいる
遺品整理士がいるかどうかチェックしましょう。もちろん、遺品整理士がいれば良いというものではありませんが、遺品整理の基本的な知識があるかどうかは、最低限のチェックポイントです。
◯ホームページに、遺品整理の方法や注意事項がわかりやすく書かれている
突然のことで何をどうしたらいいかわからない、遠方のため遺品整理の時間が作れないなど、お悩みを抱えてホームページをご覧になっているはずです。
たとえ問い合わせにつながらなくても、「参考になった」と思っていただけるようなホームページ作りがされていれば、気遣いのある業者である可能性も高いのではないでしょうか。
◯見積もりの時、営業マンが具体的に話す
ここが一番大切なポイントです。
遺品整理はデリケートな作業です。見積りに来て、ろくにお話しもせずに金額を言う業者は怪しいかもしれません。
営業マンが、ご遺族様のご要望をしっかりとお聞きし、適切なアドバイスをくれるかどうか。また、手順や作業内容を具体的に説明するかどうかをチェックしてください。
3-2 不用品の違法な処分をしない
ご家庭から発生する不用品を業者が処分する場合、名古屋市の一般廃棄物収集運搬許可が必要です。したがって、遺品整理業者が遺品の中の不用品を処分する場合、一般廃棄物収集運搬の許可を持っていれば問題ありませんが、持っていない場合は許可業者と提携して作業を行います。
不法投棄など、違法に処分されることのないよう、どのように処分するのか確認してから契約しましょう。
また、買取りを依頼する場合は、その業者が古物商の許可を持っているかもチェックしてください。
3-3 見積もりを数社から取ることで、相場もわかる
良さそうな業者のリストアップができたら、見積もりに来てもらいます。見積もり無料が常識ですが、念のため「無料」であることを確認してください。
また、「大切な家族の遺品整理だから、妥協したくない。数社見積もりを取り決めたい。」と率直に伝えていただく方が良いと思います。そこで不愉快な対応をする業者は、話になりません。
遺品整理は、その遺品の量、作業内容などによって金額に開きが出ます。適正な価格を知るためにも、数社から見積もりを取ると良いでしょう。
見積もりに来た営業マンには、要望をしっかり伝えてください。優秀な遺品整理業者なら、うまく質問してくれるはずですから、ご心配はいらないかと思います。
見積もり金額が安すぎる業者は、作業がいいかげんかもしれませんし、高すぎるのも問題です。各社から出てきた金額や営業マンの対応などを総合的に判断して、業者を決めてください。
4、ご自身で遺品整理をする方法
遺品整理は大変ですが、それは同時に気持ちの整理でもあります。ご自身でできる余裕があれば、より望ましいでしょう。
しかし、それが難しければ、業者と一緒に遺品整理をするという方法もあります。故人様も愛する家族が無理をすることを望んではいらっしゃいません。柔軟に考えて良いと思います。
ご自身で遺品整理をする方法などについて、別の記事にまとめましたので、ぜひご覧ください。
「実家の遺品整理|手順と費用相場11のポイント」
【目次】
- 1 遺品整理を始める時期
- 2 相続手続きや相続放棄に備える
- 3 辛い遺品整理に気持ちを切り替える方法
- 4 わからないことは相談すれば良い
- 5 遺品整理をする時は、相続人に集まってもらう
- 6 遺品整理準備のノウハウ
- 7 財産(金品や宝石)、貴重品、重要書類などを探す場所
- 8 財産や貴重品、重要書類の分類方法
- 9 その他の書類、手紙・ハガキの整理手順と注意点
- 10 自分でやるか、遺品整理業者に依頼するか
- 11 遺品整理の料金相場
片付けトントンは、遺品整理のお困りごとを解決します
- 急なことで、何をしたらいいか混乱している。
- 遺品を見るのが辛いが、急いで片付けないと…。
- 遺品が大量にあるので、家族だけでは難しい。
- 遺品の供養方法がわからない。
- 遠くに住んでいるので、時間が作れない。
- 賃貸アパートの退去日が迫っているので、急いでいる。
一人でお悩みを抱えていないで、まずはお気軽にご連絡ください。
数社同時見積もりでも一向に差し支えありませんし、見積り額にご満足できなければ、お断りいただければ、もちろん結構です。
私たちは、ご遺族様のお気持ちを少しでもラクにできたらと思っています。相談相手を呼ぶくらいのお気持ちでどうぞ。
詳細は、遺品整理ページをご覧ください。