久しぶりに実家に帰ってみたらゴミ屋敷になってしまっていた、というケースも増えているようです。しかし、片付けることに親の強い拒否がある場合も多く、なかなか片付けは進みません。
そこで、今回は親の説得の仕方と最低限の片付け方について記事にしてみました。
実家がゴミ屋敷になってしまう原因とは
ゴミ屋敷化の原因には、次のようなことが考えられます。
・もともと捨てられない人だった。
・体力の衰えによって、ゴミ出しができなくなった。
・認知症により、物の管理ができなくなった。
・ご家族が亡くなり、片付ける気力を失ってしまった。
核家族化によって片付ける人がいなくなった、というのも遠因になりそうです。
実家がゴミ屋敷に!親の説得法
まず、あなたが片付けに積極的に協力することを話しておいてください。
親を説得しようとしても強い拒否に遭いそうです。しかし、そのまま放置するのは好ましくありませんから、なるべく説得できそうな理由を探してみます。
「片付けると暮らしやすくなる」というようなポジティブな言い方で効果があれば一番良いのですが、ここは、ちょっと危機感を感じてもらうような方法が効果的かもしれません。
火災、放火が心配
ゴミ屋敷は、部屋の中にたくさんの物やゴミが積もっています。そのような燃えやすい物がすぐ近くにある環境で、火を使った調理をしたり、ストーブを付けたりするのは非常に危険です。
また、コンセント周りに湿気やホコリが付着すると、トラッキング現象による火災の危険も高まります。
【トラッキング現象とは】
家電製品の電源プラグとコンセントとの隙間に溜まったホコリが湿気を帯びることにより、火花放電が繰り返され、やがては発火してしまう現象のことです。ゴミ屋敷のようなお宅では、特に注意が必要です。
また、猫の毛や虫の死骸などが原因になることもあります。
家の外に段ボールなどの燃えやすい物を放置していると、放火される危険性も高まります。
火災になってしまった場合の被害を想像し、どうすべきかを話し合ってみてはいかがでしょうか。
転倒事故が心配
家庭内事故の死亡者数は、高齢者の比率がかなり高く、交通事故の死亡者数を上回っています。原因は、浴槽内での溺死、窒息、転倒・転落などによるもので、高齢者にとって、家の中は決して安全だと言えるものではありません。
高齢になると、誰でも、ちょっとしたことで転びやすくなります。足腰が弱ってきたと感じたら、さらに安全な動線を確保することが大切です。
ましてや、家の中がゴミや物で溢れていると、非常に危険です。転んで怪我をして動けなくなっても、助けを呼べないということも考えられます。
怪我が引き金となって、介護が必要になるケースも多いようです。
親の安全のために、片付けを説得してみる価値はありそうです。
健康が心配
ゴミ屋敷になってしまうと、ホコリやカビだけではなく、害虫も発生しているはずです。健康的な環境でないのは、言うまでもありません。
高齢になると感染や病気のリスクも高まります。なるべく長く実家で暮らせるようにするためには片付けた方が良い、と働きかけてみてください。
苦情が心配
ゴミ屋敷は、害虫や臭い、景観など、さまざまな問題があります。近隣にお住まいの方への迷惑になっていることを、じっくり話し合ってみてください。
すでに苦情が出ている場合は、特に早い対応が肝心です。
タイミングを逃さない
ここまでに書いた説得方法でうまくいけば良いのですが、現実は難しいかもしれません。
うまく行かない場合は、次のようなタイミングを逃さずに説得してみることをおススメします。
【親を説得するタイミング】
・要介護認定(要介護、要支援)が出た
・訪問介護を利用することになった
・デイサービスに通うことになった
・施設入所することになった
・転んで怪我をした
・虫刺されが目立つようになった
・入院することになった
・両親のうち一方が亡くなり、一人暮らしすることになった
上記のような状態になると、その世話だけでも大変かと思いますが、片付けの説得を受け入れてくれる可能性が高まるタイミングです。
説得を受け入れてくれたら
親からOKが出たら、いよいよ片付けることになりますが、ゴミ屋敷ともなると、一人で片付けようと思っても大変すぎます。
兄弟などにも声をかけ、なるべく大勢で片付けるようおススメします。
遠方にお住まいだったり、人の確保ができない場合は、業者に見積もりを取ってみて、どうするかを考えてみてはいかがでしょうか?
ゴミ屋敷の最低限の片付け
親が物を捨てるのを嫌がる場合でも、とりあえずの緊急対応はするべきだと思います。
なんとか説得して、次のような対応まではしたいものです。
①家の外のゴミを処分する
ゴミが家の外に溢れ出している場合、放火などの安全上の問題、臭いや害虫などの衛生上の問題、景観上の問題などが発生しています。
まずは、家の外のゴミの処分から始めます。
ゴミ屋敷になっていることを近隣の方に気づかれていて、何か言われるのが辛い場合は、業者に頼む方が良いでしょう。
②虫の駆除
次のステップに進む前に、殺虫剤を使って虫の駆除をします。
片付け最中に、たくさんのゴキブリなどを見ると気持ちが萎えてしまいますし、近隣への迷惑を最小限にすることも考えるべきです。
③家の中のゴミを捨てる
ゴミ屋敷にお住いの方は、どう見てもゴミとしか思えない物でも、「ゴミではない」とおっしゃるケースがあります。そのような場合にはゴミを捨てることさえも難しいかもしれませんが、そうでなければ、明らかなゴミから捨てていきます。
ゴミや物に埋もれながらの分別・袋詰め作業は、なかなか大変だと思いますが、ひょっとすると、片付いていく様子に親も積極的になれるかもしれません。
まとめ
今、実家の片付けは社会問題になってきていて、たくさんの方が悩んでいます。
自分の物ならば、自分の判断で捨てられますが、実家にある物は親の物です。強引に捨ててしまうわけにもいきません。
難しいかもしれませんが、親との対話を深め、わかってもらう努力をしていくことが必要だと思います。
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片付けトントンは、ゴミ屋敷・汚部屋の片付けを承っています。自力で片付けるのが難しい場合は、お気軽にお問い合わせください。サービスエリアは愛知県内(一部地域を除く)です。
詳細は、ゴミ屋敷・汚部屋片付けページをご覧ください。
中日新聞朝刊折込 シニア情報紙ローズに「実家の片付け」というテーマで連載
2019年1月から2020年3月まで、「実家の片付け」というテーマで連載をしました。
2019年1月号 は、「実家の片づけが進まないわけ」についてです。
2月号以降は、下記リンクからご覧ください。