ゴミ屋敷化した賃貸アパートの片付け|温かな人柄の社長さんと幻の2日目作業

片付け前のリビングの様子

従業員に貸していたお部屋が大変なことになってしまったために、会社の方から片付けのご依頼をいただくことも、ちょくちょくあります。

今回は、元従業員に貸していたアパートを片付けた時の心温まるお話です。

お見積り

あと数日で新年という年の瀬に、一本のお電話がありました。

新年に向けて自分の机の整理でも(しぶしぶ?いやいや?)するか、と思っていたくらいでしたので、時間は十分にあります。

すぐにでもお見積りにうかがえますが…と言ってみました。

「助かる、一度見てほしい」

今にも雪が降り出しそうな雲行きです。

教えていただいたアパートに到着し、しばらくすると、お問い合わせくださった方が歩いてお見えになりました。

会社の社長さんで、この近くにお住まいだそうです。

辞める人に引き続き会社の寮を貸すなんて、とっても優しい方です。

玄関扉を開けると、床から膝丈くらいまでゴミやモノが積み上がっています。少し踏み固められていて、ちょっと片付けにくそうな印象です。

【玄関360°ビフォー写真】(Internet Explorer 、一部のスマホで見ることができない場合があります)

ゴミやモノの高さは奥に行くほど高くなっていて、リビング入り口の扉は堆積したモノが引っ掛かって開きません。

20cmほどの隙間からなんとか覗いてみると、缶やコンビニの袋などが、高いところで1mぐらいまで積み上がっています。

【リビング360°ビフォー写真】

社長さんが最初に様子を見に来た時、まさかゴミ屋敷のようになっているとは想像もしなかったでしょうから、相当ビックリなさったはずです。

片付け費用の支払いについては、ご本人と話し合うとのことなので、見積り金額を出させていただいた後、とりあえず会社に戻りました。

・・・

その日の夕方過ぎに、お電話がありました。

「少し予算的に厳しい。清掃も込みで少しディスカウントできないか?」と具体的な金額をご提示くださいました。

なかなか厳しい金額ですが、道はありそうです。

当初は、なるべく早く片付けてほしいとのことでしたが、年始のスケジュールが詰まり気味です。「1月一杯の片付け完了、動画の撮影もさせていただくということではいかがでしょうか?」とお願いしてみました。

結果は、無事にご成約!ありがとうございます。

作業1日目(分別、ゴミ出し)

初日の出動スタッフは6名。2日間で片付けと清掃を完了させる予定です。

1名が運搬、2名が廊下を担当し、残りの3名はリビングの扉の隙間から室内へ滑り込むようにして入っていきました。

3名のスタッフがリビングを片付け始めたところ

廊下のスタッフは、ゴミ出しの動線確保のため、一刻も早くリビングの扉を全開にする必要があります。

とにかく、掘って掘って、掘りまくりました。

扉の前を掘りまくっている様子

頑張った甲斐があって、比較的早い段階で、扉は8割以上開きました。

8割以上扉が開いた様子

洗濯機付近の衣類や雑誌、ペットボトルや缶を取り除くと、下の方からはライター・小銭・電池など、こまかなモノがたくさん出てきました。

玄関で見つかった小銭やライターなど

こまかいモノが多いと、やはり分別に時間がかかります。ちょっと苦戦しましたが、なんとか午前中のうちに、あらかた目処が立ちました。

片付け途中の玄関の様子

午後からリビングの片付けに合流すると、なにやらスタッフに不穏な空気が・・・

2002年の新聞や郵便物があったことから考えて、このお宅は約20年もののようです。

下に行くほど踏み固められてカチカチで、モノとゴミがミルフィーユ状に絡み合っています。

リビングのミルフィーユ状になったゴミを足でほぐす様子

「不穏な空気」の原因は、これでした。

これは手ごわい!予定していた2日間では間に合わないかも!

営業担当としては、めちゃくちゃ焦ります。中身入りのペットボトルが、けっこうたくさんあったのも計算外でした。

その後、ひたすらゴミ、ペットボトルや缶などを分別・袋詰めし、床がほとんど見えるようになりました。

リビングの敷物に乗っているゴミを落としている様子

小銭・電池・ライターもたくさん出てきました。小銭は1円玉と5円玉がほとんどで、それよりも金額の大きな硬貨はほとんどありません。

リビングで見つかった小銭やライターなどの様子

ゴミの回収業者が来るまでには、なんとか分別・袋詰めを終えることができ、初日の作業は終了です。

あらかた荷物は出し切ることができましたが、最終日(4日後)の予定人数は、たしか3人だったはず。

ひょっとして、無理じゃね?

ワンルーム全体の清掃、結構手強そうなキッチン・ユニットバスの清掃、あと懐の深い物置スペース、廊下と玄関…

「片付けスタッフに負荷がかかりすぎるし、ご満足いただける清掃レベルギリギリになっちゃうかもなぁ」

あれやこれや、悶々としながら帰路に着きました。

どこかで少し清掃を進めた方がいいかもしれない…会社に着くころには、その方向で考えが固まっていきました。

幻の2日目作業(ひとりぼっちの水遊び)

当初予定の作業日前に、タイミングよく現場近くの見積りが入りました。幸いカギはお借りしているので、10時に見積り⇒すぐ近くなので11時には現場に入れます。

このタイミングで行かずに、いつ行くの?今でしょ!状態でした。

良かった~!

見積りも問題なくこなし、現場に向かいます。

手強そうなユニットバス(浴室・トイレ・洗面が一緒になっているタイプ)を少しでも清掃して、後日の作業に余裕を持たせることにします。

清掃前のお風呂の様子

「終わるかどうかわからない現場作業を前倒しできる」と思うと、かなり気分は軽く、むしろウキウキです。

しかもユニットバス!トイレも、気兼ねなくシャワーの水で洗い流せます。

気分は水遊び?

お風呂を清掃している様子

仕上げ具合にこだわらず、とにかく今日はざっくりキレイにしていきます。

こういう作業は、性格的に大好きです。

シャワーで汚れを流す様子

2時間ほどユニットバスにこもって作業しましたが、なかなかいい感じに汚れを落とすことができました!

ざっくり清掃後のお風呂の様子

誰にも言わずにコッソリやった「幻の2日目作業」。あぁ、これで最終日の作業に(安心して)気持ちよく望むことができます。

作業3日目(清掃)

出動スタッフは3名。私もメンバーとして参加します。

壁に付着したタバコのヤニ、窓に溜まったホコリ、キッチンや床にこびりついた汚れなど、なかなか手強いですが、何としても今日中に退去できるレベルにまで仕上げます!

出てきたライターと吸い殻の量からして、かなり吸っていらっしゃったようですが、ホコリを払うと、天井は予想外に白くてビックリ!

天井や壁のホコリを払う様子

一方、板張りの壁は拭くたびにタオルが黄色くなり、何度も何度も拭きあげて、ようやく合格ラインに達しました。

壁を清掃している様子

床は、カーペットや布団が敷かれていなかった部分にはダメージがありましたが、できる限り汚れを落としました。

2名がかりでリビングの床の汚れを取り除いている様子

キッチンを担当した竹内は、「ゴキブリのフンやタバコのヤニがこびりついていて苦労した」と言っていましたが、見違えるほどキレイにすることができました。

キッチンを掃除しているスタッフの様子

ピカピカに仕上がったキッチンの様子

キッチンの錆や、お風呂に染み込んだ汚れなど、落としきれなかった箇所もありましたが、時間内に何とか仕上げることができ、ホッとしました。

ビフォーアフター

スッキリ!ビフォーアフターの写真をご覧ください。

玄関

片付け前の玄関の様子
清掃後の玄関の様子

キッチン

片付け前のキッチンの様子

清掃後のキッチンの様子

お風呂

片付け前のお風呂の様子

清掃後のお風呂の様子

リビング

片付け前のリビングの様子

清掃後のリビングの様子

片付けを終えて

「幻の2日目作業」は、念のためやっておいて良かったと心底思います。

たった2時間のことですが、のびのび気兼ねなくユニットバスを清掃するのと、最終日に時間に追われて清掃するのとでは、気持ちの余裕が全然違います。

それに、その2時間でできた余裕で、清掃レベルを引き上げることができたのも良かったです。

やって大正解でした。

・・・

作業終了後、社長さんに立ち会っていただいた時にお聞きしたのですが、元従業員の方は「2年間くらい部屋に戻っていなかった」とのことでした。

その間、ずっと家賃を払い続けていらっしゃったわけですから、本当にもったいない話です。

最後まで元従業員の方のことを心配していらっしゃるご様子に、とても温かな気持ちになりました。

・・・

よろしかったら、こちらのブログもご覧ください。

https://kataduke-tonton.com/voice/29460/

https://kataduke-tonton.com/voice/23996/

・・・

片付けトントンは、ゴミ屋敷・汚部屋の片付けを承っています。まずは、お気軽にお問い合わせください。サービスエリアは愛知県内(一部地域を除く)です。

詳細は、「ゴミ屋敷片付け・掃除ページ」をご覧ください。

ゴミ屋敷片付け・掃除サービスページ
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