「やらなければいけないこと」だけで毎日が過ぎ去っては面白くありません。やっぱり、夢中になれる面白いこともしたいですよね。
でも、面白いことって、他人から見ると、どうでもいいこと・くだらないことだったりします。
「どうでもよさそうな話」の中にある大切なもの
作家の諏訪哲史さんは、2007年に「アサッテの人」で群像新人文学賞、芥川賞をダブル受賞された方です。
そして、群像新人賞の授賞式の挨拶では八代亜紀さんの「舟唄」を歌い、芥川賞授賞式では、細川たかしさんの「心のこり」を歌っています。
すごすぎます(^^)
新聞に載っていた諏訪哲史さんのコラムをご紹介します。
【諏訪哲史さん、スワ氏文集(もんじゅう)を終えて】
(前略)有用な情報が詰まった紙面に、読んでも役に立ちそうにないコラムを配置すること。それが、「スワ氏文集」を始める自分に課したルールだった。
「世の中の、なるべく無意味な物事を主題に選び、死力を尽くして書くべし」。恩師である種村季弘の言葉を教えに、小説らしくない小説を書くことを自分は信条にしている。
(中略)どうでもよさそうな話でもそれを無視したら僕らが本当の僕らでなくなってしまうような大切なものについて、折々に語りかけてきた、そういう自負もある。
(中略)「スワ氏文集」を書く時間は、どこかホッとできる時間でもあったのだが、「締め切りを破ったら本当に死んでしまうんだぞ」ぐらいのプレッシャーを自分に与えながら書き続けた。
ー2016年3月23日の朝日新聞「ナゴヤカルチャー 新聞内の違和感めざした」
「どうでもよさそうな話でもそれを無視したら僕らが本当の僕らでなくなってしまうような大切なものについて、折々に語りかけてきた」という言葉が印象的です。
私は、これを読んで、他人にはどうでもいいと思うようなことでも、それをしなかったら自分が本当の自分ではなくなってしまうような大切なこともあると感じました。
どうでもいいようなことでも、自分にとっては大切なこと
あなたが夢中になってしていることを、思い出してみてください。
音楽を聴いたり、映画を観たり、本を読んだり・・・あなたが何をしようと、極論すれば他人にはどうでもいいことです。
でも、普段、夢中でやっていることの中には、それをしなかったら自分が本当の自分ではなくなってしまうようなこともありそうです。
え〜と・・・ギャンブルは、どうでしょう?
パチンコをしなかったら、自分が本当の自分ではなくなる?
あくまで私の意見ですが、逆にパチンコをすることで、自分が本当の自分ではなくなっていく感じがします。
では、釣りはどうでしょう?
釣りをしなかったら、自分が本当の自分ではなくなる?
これは、誰にも否定できません。
こうして、「それをしなかったら自分が本当の自分ではなくなってしまう」ことを探す遊びは、なかなか面白いなと思います。
自分にとって大切なことを見つけたら
役に立つか立たないかわからなくても、「それをしなかったら自分が本当の自分ではなくなってしまう」ようなことには、熱中できるはずです。
種村季弘さんが「世の中の、なるべく無意味な物事を主題に選び、死力を尽くして書くべし」とおっしゃったように、死力を尽くして楽しむのも面白そうです。
私は、「役に立たない本」を読むのが好きで、「それをしなかったら自分が本当の自分ではなくなってしまう」ような気がしています。
そういう方針で本を読んできた結果、「役に立つ本」より「役に立たない本」の方が、なぜか役に立っている不思議。
役に立つか立たないか、どうでもいいか良くないか、くだらないかくだらなくないか、その境界線なんて全然気にしなくてもいいかな、という気持ちでいます。
あなたも「それをしなかったら自分が本当の自分ではなくなってしまう」探しをしてみませんか?
次にご紹介するブログでは、大切なものやステキなものについて考えてみました。
ぜひご覧ください。